すべてが終わったあと。
平和な世界の片隅で。
君たちはしあわせですか?
時は過ぎ去る。
それでも僕らは―――

手紙-序


「ルルーシュ、桜が咲いてるよ」

穏やかな声とともに窓が開け放たれる。
舞い散る桜のほのかな香りが、春の暖かな風とともに入ってくる。

ひらり、と。

風に乗ってやってきた一枚の花びらが、白いシーツの上に落ちた。
やわらかな薄紅色の色彩は、無機質な白い部屋に小さな光を灯したようだった。

「ルルーシュ、ほら、桜だ」

微笑む声は、どこまでも優しい。

「そうそう、手紙が来てたよ。君あての―――」