「ルルーシュ、桜が咲いてるよ」 穏やかな声とともに窓が開け放たれる。 舞い散る桜のほのかな香りが、春の暖かな風とともに入ってくる。 ひらり、と。 風に乗ってやってきた一枚の花びらが、白いシーツの上に落ちた。 やわらかな薄紅色の色彩は、無機質な白い部屋に小さな光を灯したようだった。 「ルルーシュ、ほら、桜だ」 微笑む声は、どこまでも優しい。 「そうそう、手紙が来てたよ。君あての―――」